『NFT』って一体どんなものなんですか?聞いたことはあるのですが、話題についていけず困っています…。
最近、メディアやSNSで目にすることが多くなった『NFT(エヌエフティー)』という言葉。
2021年には約75億円でNFTアートが落札されたというニュースが流れ、世界中を驚かせました!
多くの人が一度は見たり聞いたりしたことがあるとは思いますが、NFTって一体何者なのでしょう。
「何がすごいの?」「なんで注目されているの?」という疑問を持っている方もきっと多いはず…!
今回はそういった方のために、特徴・将来性・課題までをまとめて一気にお伝えしていきます。
初心者の方にも分かりやすいように解説していくので気軽に読み進めてくださいね!
記事の作成者
本記事を書いている私は、ブログ・情報発信をメインに取り組んでいる副業歴7年目の会社員です。
2年間の副業コンサルタント経験があり、これまでに100名以上の方の副業相談を行ってきました。
そんな経験を活かし、みなさんに「参考になった」と言っていただける記事作成を心がけています!
前置きはこの辺にして、本題に進んでいきましょう!
NFTってどんなもの?
NFTとは、『Non Fungible Token』の頭文字を取ったもので、『非代替性トークン』という意味を持ちます。
ちなみに仮想通貨(暗号資産)は『Fungible Token』といい、FT=代替性トークンと言います。
非代替性という言葉を言い換えると『唯一無二』『替えが効かない』という意味になります。
NFTが『唯一無二のトークン』ということは分かりました。でもトークンって一体何ですか…?
トークン(token)は「しるし・証拠」という意味があります。つまりトークンとは証明書のようなもの!
証明書がデジタル形式で発行されていることから、正確には『デジタルトークン』というのが正しいのですが、最近ではデジタルが取れて単純に『トークン』と呼ばれることが多くなりました。
身近なもので言うと、アプリのログインなどで使われているワンタイムパスワードの生成ツールを『セキュリティトークン』と呼んだり、ブロックチェーン技術を活用して発行した仮想通貨(暗号資産)を単純にトークンと呼んだりします。
中でもNFTは仮想通貨(暗号資産)と同じくブロックチェーン技術を用いたデジタルトークンです。
ただ、仮想通貨や法定通貨は代替可能ですが、NFTは代替不可能というところで大きく違ってきます。
- 代替可能:Aさんの『100円』とBさんの『100円』を交換 → 問題なし
- 代替不可能:Aさんの『有名選手のサインボール』とBさんの『市販のボール』を交換 → 問題あり
確かに…。代替不可能なものは、価値もモノも全然違いますね!
代替不可能なものは『全く同じものがこの世に存在しない』『替えが効かない一点モノ』というところが重要なポイントだよ!
これまでデジタルデータは簡単にコピーが可能であったことから、希少価値を見出すことができませんでしたが、NFTの登場によって芸術・美術・ゲーム関連を中心に、デジタルデータに『唯一無二である証明書』を持たせたのがNFTなのです。
このトークン(証明書)のお陰で、デジタルデータでも正規品の判別が可能になり、同時に希少性を持つようになりました。
『唯一無二である証明書』を担保できる理由には、ブロックチェーンの特徴である不正行為や改ざん耐性の活躍があります。
よく聞く「NFTがコピーできない」は、「トークン(証明書)がコピーできない」ということを覚えておこう!
・デジタルデータのコピーを防止するのは「著作権」
・トークン(証明書)のコピーを防止するのは「NFT」
間違えやすいけど、重要だからしっかり覚えておこう!
NFTの特徴とは?
NFTの1つ1つが『唯一無二な存在』ということは理解できましたが、なぜNFTが今注目されているのでしょうか?
その理由を今から4つに分けて解説していくよ!
それでは早速、注目されている4つの特徴を確認していきましょう。
- 【希少性】デジタルデータでありながら資産価値を持つ
- 【取引可能性】誰もが安全で透明性の高い取引ができる
- 【相互可能性】共通規格によってどこでも取り扱うことが可能
- 【プログラマビリティ】複雑な設定をプログラムできる
【希少性】デジタルデータでありながら資産価値を持つ
これまで、デジタルデータは簡単に改ざんやコピーが出来ることから『誰が作ったのか・誰の所有物なのか・どれが本物なのか』ということを明確にすることが非常に困難だったため、価値を評価することができませんでした…。
資産価値のあるものと言えば、車・時計・絵画・宝石・金・プラチナなど、現物であることが常識です。
その常識を覆したのがNFTなのです!
ブロックチェーン技術を活用しているNFTでは、デジタルデータの改ざんやコピーを防ぐために著作者・所有権・鑑定書など様々な情報がブロックチェーン上に記録されます。
つまり、他のデジタルデータと判別が容易にできるため、固有なものであることを証明することが可能なのです。
だからデジタルデータでも資産価値を持たせることができるんですね!
【取引可能性】誰もが安全で透明性の高い取引ができる
『誰が作ったのか・誰の所有物なのか・どれが本物なのか』ということを明確にできるNFTでは、デジタルデータでありながら資産価値を持つことを実現しました。
このように価値を証明できるのであれば、現物でもデジタルデータでも関係なく『希少なもの』として取引をすることができます。
その取引内容はブロックチェーン上で公開され、誰でも事実確認ができるため、安全かつ透明性の高い取引を行うことが可能なのです。
デジタルデータなので、国境を気にすることなく移動(発送・受け取り)も簡単ですね!
【相互可能性】共通規格によってどこでも取り扱うことが可能
NFTは、様々なサービスを跨いで使用することが可能です。
例えば…あるゲームで使っているAというアイテムを、別ゲームに登場させて使用することが出来てしまいます!
なぜこんなことが可能かというと、多くのNFTの仕様がイーサリアムの『ERC721』というブロックチェーン規格に沿って発行されているからです。
多くのNFTの仕様が『ERC721』…ってことは他にも規格があるってことですか?
他にはERC1155、ERC4907など主要とされる規格があるんだけど、今のところNFT標準規格は『ERC721』とされているよ!
なるほど!ある程度の相互性はあるものの、完全でないところには注意が必要そうですね!
【プログラマビリティ】複雑な設定をプログラムできる
NFTでは、様々な機能をデジタルデータに付与することが出来ます。
例えば、流通量を制限したり、作成から一定期間後に価格を上がるように設定したりと様々です。
中でも画期的なのが、一次流通時だけでなく二次流通時にも著作者に報酬が入る機能を付与できるところです。
例えば、Aさんが書いた絵をBさんが購入、その後Bさんが買った絵をCさんに売ったとします。
この場合、通常であれば著作者であるAさんは、Bさんが購入した時の一度しか報酬を手にすることが出来ません。
しかしNFT作品に『他者が販売・転売した際、著作者に一部報酬を支払う』ということをあらかじめプログラムしておくことで、BさんがCさんに売った時にも、Aさんは報酬を手にすることが出来るのです。
著作者にとって、ものすごく大きなメリットになりそうですね!
NFTの将来性について
デジタルデータでありながら資産価値をもつ特殊な存在のNFTですが、今後も市場は伸びるのでしょうか?
そんな疑問について、ここからはNFTの将来性についてお伝えしていきます!
2021年に急成長したNFT(非代替トークン)市場。BNPパリバの調査会社L’Atelierによると、2021年の取引額は176億ドル(約2兆円)に膨れ上がり、前年比21000倍という脅威的な数字をマークした。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/92451f3d68620fbe6f8537e97c09a8b1a5106539
これまでは特定の分野の一部の人だけが取引していたNFTですが、2021年に取引額を大きく伸ばし急速に世間に広まっていきました。
次々と有名人がNFTに参入してきていることからも、その注目度が伺えます!
- (女優)広瀬すず → デジタル・ブロマイドをNFT化して数量限定で発売
- (元SMAP)香取慎吾 → NFTアートチャリティプロジェクトを実施
- (お笑い芸人)たむらけんじ → 自身のギャグ「ちゃ〜」を音声NFTとして出品
- (歌手)Perfume → NFTアート「Imaginary Museum “Time Warp”」を出品
- (元体操選手)内村航平 → 引退を記念したNFTアートを出品
芸能人が発信することで、NFTを知らない・興味が無い人たちも自然とNFTに触れる機会が増え、益々世間に浸透していくことでしょう。
NFTがどんどん身近な存在になることが期待できそうですね!
NFTの課題とは?
利用者は急増・将来性も期待できるNFTですが、実は急速に拡大した技術ならではの課題を抱えています。
NFTが抱える課題は大きく分けて3つあります。
- 所有権を主張できない可能性が高い
- 犯罪行為が多発している
- 手数料が一定ではない
それでは順に解説していきます!
所有権を主張できない可能性が高い
今のところ、NFTの所有権は認められないという考えが強くあります。
NFTは『所有者を明確にできる』という特徴を持っていますが、それに反して現行の法律では『所有権が認められるものは有体物(実体のあるもの)』とされています。
民法上、所有権の客体となる「物」(民法206条参照)とは、「有体物」をいうとされています(民法85条)。また、東京地裁平成27年8月5日判決は、ビットコインについて有体性を欠くため物権である所有権の客体とはならないと判示しています。
引用元:https://www.businesslawyers.jp/articles/942
このように「ビットコインは有体物では無いから、所有権の対象にならない」という判決が下っています。
ビットコインの判決に準って考えると、NFTもビットコインと同じくブロックチェーン上に作られたデジタルトークン(無体物)に過ぎません。
つまり、NFTもビットコイン同様に、所有権を法律上で主張できない可能性が極めて高いと考えられます。
法整備が追いついていないということですね…。
そう…。現行の法律では、デジタルデータの所有権に関する明確な定義が定まっていないんだ。
犯罪行為が多発している
2021年の利用者急増と同時に詐欺・盗用・ハッキングなどの犯罪行為も急増してきています。
世界で最も人気の高いNFTビデオゲームの1つである「Axie Infinity」をサポートするネットワークを標的とした最近のサイバー攻撃で、6億ドル(約730億円)相当超が盗まれた。
引用元:https://japan.cnet.com/article/35185655/
この大規模なハッキングに対して米財務省は、北朝鮮の「Lazarus」と呼ばれるハッキンググループと関連付けをしているようで、その他にもロシア・イランなどの地政学的リスクを持った国家によるサイバー攻撃が多発していることも明らかになっています。
国を問わず簡単に取引できる分、NFTを含め仮想通貨関連の犯罪に巻き込まれないように利用には十分な注意が必要です。
盗まれた資金の多くが、マネーロンダリングやテロ資金などと深く関わり、また新たな犯罪に繋がっていることも知っておこう!
手数料が一定ではない
NFTでは手数料のことを『ガス代』と言い、主にNFTの取引や発行の際に発生します。
ブロックチェーン上で構築されているNFTでは、様々な情報が暗号化され記録されており、このような履歴を正確に残し、公正な取引が行われたことを証明できるように作業している人たちが存在しています。
ちなみに、この人たちのことを『マイナー』と呼ぶよ!
この方達のお陰で、我々は普通に取引できているのですね!
マイナーへの報酬はこのガス代から支払われています。
管理を任せている手間賃と考えれば仕方ないとも思えますが、厄介なのは『ガス代が一定ではない』というところです。
FXや株式投資のように一律の手数料が決められているわけではなく、仮想通貨の価格やネットワーク処理量、社会情勢など多くの影響を受けて常に変化し続けています。
まとめ
NFTについて、特徴・将来性・課題を一気に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
再度おさらいのために重要なポイントを確認しておきましょう。
4つの特徴
- 『希少性』…デジタルデータでありながら唯一無二である証明と資産価値を持つ
- 『取引可能性』…ブロックチェーン技術によって、誰もが安全で透明性の高い取引ができる
- 『相互可能性』…共通規格によって多くのNFTがどこでも取り扱うことが可能
- 『プログラマビリティ』…複雑な設定をデジタルデータに付与できる
将来性
2021年に取引額が前年比2.1万倍という驚異的な伸びを見せ、急速に一般化した。
広瀬すずや香取慎吾など、有名人も次々とNFT作品を発表しており、益々広がりに期待が持てる。
3つの課題
- 『所有権を主張できない可能性が高い』…現行の法律では明確な定義が存在しない。
- 『犯罪行為が多発している』…サイバー犯罪に巻き込まれて資産を失う可能性がある
- 『手数料が一定ではない』…取引量が盛んな時期はガス代が高騰しやすい
NFTは難しいジャンルではありますが、この記事を通して少しでも理解を深めて頂ければ、私も頑張って記事を書いた甲斐があります!
法整備が追いついていないなどの不安要素はありますが、今後は色んなサービスへの展開も期待できそうです。実際にアメリカのアーティストのトム・サックスが自身のNFT所持者にナイキとのコラボスニーカーを無償提供したという出来事がありました。
NFTを買うと、好きなアイドルに会えたり、限定コミュニティーに入れたり、限定アイテムがもらえたり、というようにNFTを既存のビジネスと絡めることで、新たな価値提供の発見やビジネスモデルの誕生も期待できそうです!
今回はここまでです!最後まで読んで頂きありがとうございました!
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